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目指すは”金メダル”
約1年半後、全てのアスリートが“金メダル”という世界の頂点を目指す祭典が、2020年に日本で開催されます。
4年に1度の祭典、世界的超ビッグイベント『オリンピック』です!
世界中のアスリートがオリンピックのために、血と汗と涙を流しながら努力を続けています。
やはりアスリートの皆さんには、全力を出し切って欲しいのです。
目指すは金メダルただ1つです!
優秀なアスリートには優秀なコーチが欠かせない
しかし、アスリート個人が努力するだけで、独りだけで辿り着けるほど”金メダル”は甘くはないでしょう。
それは、この記事を書いている僕ではなく、現在も必死努力されているアスリートやコーチの皆さんが1番分かっていることだと思います。
辿り着くためにはアスリート個人だけでなく、コーチの存在が欠かせません。
これまでのスポーツ史においても、世界的アイコンとなったアスリートや記録にも記憶にも残るアスリートの陰には超優秀ともいえるコーチがいました。
コーチはアスリートを熟知すべき
アスリートが大会や試合を行う当事者であれば、コーチは第三者です。
当事者であるアスリートの心境が変化しやすいのは言わずもがなでしょう。
だからこそ、第三者であるコーチがアスリートを励ます日もあれば、檄を飛ばす必要があるのです。
少し落ち込んでいたら、理由を訊いて励ましてあげる。
調子に乗っていたら、檄を飛ばして気を引き締めてあげる。
優勝や大会で良い結果を出したら、一緒に喜んであげる。
そういう風にコーチはアスリートを熟知し、師であり友であるように接するべきなのです。
『マズローの欲求5段階説』について
アスリートも人間ならば少なからず欲求があるものです。
その欲求について研究し、1つの理論を説いたのがA.H.マズローです。
その理論とは、『マズローの欲求5段階説』というものです。
これは、マズローが「人間は自己実現に向かって絶えず成長する」と仮定し人間の欲求を5段階の階層で表したものです。
ここからは、それぞれの階層を順を追って説明していきます!
生存欲求
「生きたい!」という本能的な欲求です!
この欲求を満たすためには当てはまる行為は、『食事』『睡眠』『排泄』などです。
人間以外の動物は、基本的にはこの欲求が最も大きな動機付けとなるでしょう。
しかし、アスリートと呼ばれる人は、この欲求は既に満たされている人が多いかと思います。
勿論、コーチもね!
安全欲求
これは「安全安心に暮らしたい!」という1つ高次元の欲求です!
良い生活水準や良い健康状態、事故防止など「身を守りたい!」という動機付けです。
この動機付けがハッキリと現れるのは、幼児であることが殆どだそうです。
例えば、急に泣き喚くとか、急にその場を離れるとか、目を閉じるとかね。
アスリートのみなさんは、基本的に満たされている欲求だと思います!
アスリートですから良い健康状態の維持・向上に取り組んでいる人も多いと思います。
しかし、これは何も『身を守るため』ではありませんよね?
そう、勘が鋭い方はお分かりの通り、更に高次元の欲求が動機付けとなっているのです!
社会的欲求
次の欲求は『社会的欲求』です!
これは、社会にとって自分が果たすべき役割がある感覚や他者に受けれ入れられたいという欲求を意味します。
俗に言う『仲間意識』とは、この欲求を満たす意識と言えるでしょう!
この欲求を満たす行為として、チームやグループに属したり、恋人作り、他者とのコミュニケーションが当てはまります!
この欲求を満たせない人は、鬱病に罹ったり、社会的不安が大きくなるようです。
アスリートが独りでは上達しないことを悟り、コーチを雇いチームを形成する行為もこれに近いものがあります。
アスリートやコーチにとっても『社会的役割』というのは大切かと思います。
ただ単に、スポーツに取り組んでいる訳ではないですよね?
コーチとして、コーチとアスリートの関係だからサポートしている訳ではないですよね?
今一度、「自分たちの社会的役割とは何だろう?」と考えてみてはいかがでしょうか?
承認欲求
「認められたい!」という読んで字のごとくの欲求です!
自分が価値のある存在であると認められ、尊重されることを欲することです!
マズロー曰く、この承認欲求は2つに区別できるそうです。
1つは他者からの尊敬や、更に高い地位の渇望、富、名声といったこと得たいという欲求です。
この欲求を満たし続けようとするのは、マズローは危険だと言います。
もう1つは自己信頼感や自己尊重という感覚であり、新しい技術や能力、自立性を得ることで満たされる欲求です。
アスリートにとっては、勿論どちらの欲求も大切かもしれません。
しかし、後者の欲求を満たしてこそ、前者の欲求が満たされるのではないでしょうか?
また、前者の欲求を追い続けたとして、もしも得ることができなかった場合どうなるでしょうか?
無力感や劣等感が生じ、燃え尽き症候群のように疲れ果ててしまうでしょう。
アスリートとして自己研鑽こそが大切ということは、身をもって知っている筈です。
コーチもしかり。
それを忘れてはなりません。
自己実現欲求
これは、自分の持つ能力や可能性を最大限発揮し、具現化して自分がなり得るものにならなければいけないという欲求です!
アスリートやコーチの殆どは、この欲求を満たすために行動しているのではないでしょうか?
安全欲求で疑問に思った方、実はその行動の動機づけはこの『自己実現欲求』だったんですね。
欠乏欲求と存在欲求
ここまで紹介してきた『マズローの欲求5段階説』の中でも、始めの4つを『欠乏欲求』と言います。
そして、残りの1つを『存在欲求』と言います。
マズロー曰く、これらの欲求は質的に異なるものだそうです。
アスリートやコーチでも、この2つの欲求を行き来することはあります。
『自己実現欲求』のみが動機付けになっている人は少なく、それを果たせる人は更に少ないのです。
自己超越とは?
マズローは、晩年に『自己実現欲求』の上に更なる階層があると発表しました。
それこそが『自己超越』だというのです。
『自己超越』に至った者は、聡明であったり、謙虚であったり、創造的であったりと様々な特徴があります。
これは1つの知識として覚えて頂けると幸いです!
『マズローの欲求5段階説』オススメ書籍
『マズローの欲求5段階説』関連の書籍がありますので、いくつかご紹介します!
『マズローの欲求5段階説』の使い方
これから、この『マズローの欲求5段階説』を使ってアスリートや自分自身をマネジメントしていきましょう!
使い方は簡単です!
アスリート版
「自分は何を満たすために行動しているのだろうか?」
「自分が満たしたい欲求はなんだろうか?」
「自分にとって○○欲求とは何を意味するだろうか?」
「なぜ、自分はその欲求を満たしたいのだろうか?」
「自分の行動は、その欲求を満たすために必要だろうか?」
「更に高次の欲求を満たすために必要なことはなんだろうか?」
こうした質問を階層と照らし合わせながら投げかけるのです。
自分で自分を深堀できない人が、世界の頂点に立てるものでしょうか?
あなたは、誰よりもあなたを知らなければいけません。
何が辛いのか、何が嫌なのか、何が苦痛なのか、そういった困難にも正面から向き合っていかなければいけません。
そのために、この質問を投げかけて、自分を深堀して下さい。
そこから生まる気づきが、あなたを更に成長させてくれるでしょう。
コーチ版
コーチの方は、多少難易度が上がります。
なんでかと言うと、相手が自分ではなく他人だからです。
自分のことは分かっても、他人のことを100%理解することはできません。
しかし、『マズローの欲求5段階説』という理論を活用することで、他人の考え方や行動を抽象的な事象へと落とし込みやすくなるのです。
そうすることでアスリートが考えていたことや行動した理由が、コーチにも理解しやすくなるのです。
相互理解が進むのです。
コーチは『マズローの欲求5段階説』とアスリートの言動を照らし合わせます。
「今は、どの欲求に属した行動だろうか?」
「彼の動機付けは何だろうか?」
「動機の再確認が必要ではないだろうか?」
「彼を更なる高みに導くためには何が必要だろうか?」
そして、上記の様に考えることです。
これはコーチ単独で考えるのも良いですが、アスリートや他のスタッフと相談しても構いません。
チームとして、アスリートを全力でサポートしていきましょう!
まとめ
2020年まで残すところ約1年半となって参りました!
観客として待ち遠しい気持ちでいっぱいです!
しかし、オリンピックという祭典を盛り上げるのは、他でもないアスリートのみなさんです!
彼らにとって微力ながらも助けになれば、幸いです!
そして、未来のオリンピックアスリートを育てるコーチやちびっ子たちも応援しています!